#009 2016.10.22
レシチンが動脈硬化促進に関わる?
「レシチンは動脈硬化抑制の効果がある。」と言われています。ところが「レシチン+腸内細菌」で動脈硬化を促 進する物質が生成されることがわかってきました。腸内フローラを良い状態に保つと「動脈硬化促進の影響」が少なくなると考えられます。
レシチンの効果といえば、一般的に「コレステロール値を下げ、動脈硬化を抑止する。」とされています。しか
し、その常
識をくつがえす研究結果が2011年に科学雑誌「Nature」で発表されています。その論文の題名は「Gut flora metabolism
of phosphatidylcholine promotes cardiovascular
disease」で日本語訳が「ホスファチジルコリンの腸内細菌叢の代謝は心血管疾患を促進する」です。「ホスファチジルコリン」はレシチンの主な構成物
質のことです。また、「腸内細菌叢」は腸内フローラのことです。
この研究は、心臓病の人の血液を分析し、どんな物質があると心臓病になりやすいかを調査します。このような手法をメタボロミクスと呼ばれ ています。わかったことは、血液にTMAO(トリメチルアミン N−オキシド)という物質が多い人は心臓病になりやすいことがわかりました。では、TMAOはどのようにで生成されたかを調べました。すると、肝臓でTMA(ト リメチルアミン)がTMAOになることがわかりました。それでは、TMAはどのように生成されたのでしょうか。それは、食物中のレシチンが腸内 細菌により分解されて生産されることがわかりました。
マウスに大量のレシチンを投与する実験をすると、明らかに動脈硬化が悪化しました。また、マウスの腸内細菌を殺してから大量のレシチンを投与して も動脈硬化は悪化しませんでした。これにより「レシチン+腸内細菌」の組み合わせで、初めて動脈硬化が促進することがわかりました。
<まとめ>
腸内:レシチン+腸内細菌→TMAの生産
↓
肝臓:TMA→TMAOの生産
↓
血管:TMAOによる動脈硬化促進
レシチンは必要な物質
では、レシチンを摂らなければよいのでしょうか?いいえ、レシチンは身体にとって大切な物質です。体内で脂肪がエネルギーとして利用・貯蔵される 際、タンパク質と結びついてリポタンパク質となり血液の中を移動しますが、このタンパク質と脂肪の結合にレシチンを必要とします。レシチンそのものの不足 は、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着などの原因となります。
動脈硬化を防ぐには
論文では腸内フローラの働きを抗生物で止めればTMAOの生成が抑制されるとしていますが、実際に人間の腸内フローラを壊すことは現実的ではあり ません。乳酸菌やビフィズス菌を含む善玉菌が優位である腸内フローラを作ることが動脈硬化抑制につながると考えられて います。
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